海の原発(3)

福島原発事故前の
日本の全電力会社のウラン購入代金は
年間500億円と聞いたな。実際はいくらくらいなんだろうかね?

日本は敗戦国と憲法のしばりで
どうしても外交力、交渉力が劣っているて
低品位のウラン鉱石を高めに買わされていると言う。

特に米国は日本に原爆2発も投下しているので
日本にだけは核武装して欲しくない。

日本の核技術だけは発展して欲しくない。
日本は核後進国のままでいて欲しい。
世界中が核武装しても日本だけは核武装させたくない、でしょう。

そのためには、まず原料のウラン輸入や開発には
雁字搦めにしておきたい。
そして多くの日本人はウランとは輸入するものと思い込んでいる。

しかしウランは海水からも回収できる。
海水ウラン回収技術はとっくに確立していて、
回収コストは輸入ウランの倍程度だそうだ。
コストの大部分は海底に係留する土木施設費だ。

陸上ウラン鉱山も石油と同じでいつかは枯渇する。
その時にどこからウランを調達するかと言えば海しかない。
ウラン海水回収は、ウラン以外の
パナジウム、ニッケル、コバルトなども同時に回収できる。

さらに海水中のウランを人間が全部回収しても
海底の岩盤から減った分のウランが海水に溶け出して来るとのこと。
海水からウラン回収をやり始めたらほぼ無限。

コストもたかが知れているし、あとは、国民と為政者の決断だけだ。
高レベル放射性廃棄物の商業利用と海の原発と海水ウラン回収で
数千年、数万年間は、食糧危機もエネルギー危機も日本に来ない。

資源を巡って争って、軍事費使って、人命を無駄にするよりも良いだろ。

海の原発(2)

海に長い煙突を立てて、煙突上部を加熱すると
深海の海水(深層水)をくみ上げられる仕組みは図を参考のこと。

海洋深層水汲み上げの原理

(1)煙突上部の海水を原発の復水器で加熱する。
(2)加熱された部分の海水が膨張して軽くなる。
(3)軽くなって煙突内を上昇して煙突から排出される。
(4)上昇し排出した海水分が、煙突下部から吸い込まれる。
(5)そして(1)に戻り繰り返す。
(6)これで栄養塩豊富な海底の深層水を、海面までくみ上げられる。

※この深層水汲み上げで、海面付近には「太陽光+水+栄養塩類」が揃い、
 植物プランクトンが発生し、食物連鎖が起きる。

原発の熱で発生した蒸気が発電機を通って復水器に行って
蒸気から液体に変わる。

発電機のタービンを回す多くは蒸気で気化熱分だろう。
蒸気が復水器で水に変わり、22.4L/1mol(18g)の蒸気が18ccの水に変わる。
体積が1/800になり、ほぼ真空でこの気圧差で発電機タービンが回る。

>1気圧で100℃のときの水の気化熱は539cal/g(≒2264J/g)であり,
>20℃では586cal/g(≒2461J/g),0℃では596cal/g(≒2503J/g)である。

海の原発だと加圧水型原発だから
「蒸気発生器→発電機→復水器→蒸気発生器」の回路になってるはずだ。

ロスがあるとしても、539cal/gの蒸気の熱が復水器によって海水に移動する。
この熱の移動により「蒸気→水」の体積縮小で発電機が回る。

海水に移動した539calの熱は海水を加熱し膨張させ上昇流を生み出す。
つまり利用できる熱は原発の熱効率1/3の残りの2/3ではなくて
原発で発生した熱量のほぼ全量3/3を、海水の加熱に使えるはずだ。

原発の熱の全量利用が可能になるはずだ。「熱効率」100%だ。
つまり4000-5000mの深層水を海面まで汲み上げられる。
海面付近の海水と混じって太陽光+水+栄養塩類が揃い
植物プランクトンが大発生し、海の砂漠を漁場に出来る。

今捨ている原発排熱を使って、栄養塩類豊富な深海の海水を
海面までポンプアップできて、海の砂漠が豊かな漁場になる。
海の原発がある限り、この漁場を維持できる。

海の原発(1)

海の原発 船舶型

海の原発 潜水艦型

原発の熱効率は「高レベル放射性廃棄物の商業利用法(6)」で書きました。
熱効率が悪く熱の2/3は捨てているし、使用済み核燃料棒の崩壊熱は
捨てているし、高レベル放射性廃棄物の熱は全部捨てている。

高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料棒の廃熱利用は書いた通りだ。
深海底に高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料棒を置いて
上昇流を起こして海の砂漠を漁場に変えて経済活動する。

原発の熱で捨てている2/3の廃熱も有効利用したい。
この利用のためには「海の原発」を使うのが良い。
船と潜水艦に積んだ原発を「海の原発」とここでは呼んでいます。
復水器(冷却装置)は両方とも船外に出ている必要があります。

船に積んだ原発で今現在実用化されているのは原子力空母(航空母艦)だけだ。
潜水艦に積んだのでは原子力潜水艦だけだ。いずれも軍用です。

青い海で海の砂漠で、生物がほとんどいなくて
経済活動が行われていない海域に、海の原発を設置する。

その海に煙突を立てる、全長4000-5000m程度の煙突です。
煙突上部に海の原発の復水器を突っ込み、もちろん発電する。

発電した電力は海底ケーブルで送電します。
英国ノルウェー間の(north sea link)総距離720k 、水深最大700m、容量は1.4GW、
英国フランス間のIFAの200万kWなどがある。

高レベル放射性廃棄物の商業利用法(6)

(1)から(5)まで説明したこの考え方は使用済み核燃料棒にも
使える。高レベル放射性廃棄物の様に使用済み核燃料棒を海底に置けば良い。

定期点検で運転休止して取り出した核燃料棒は
運転中の臨界状態でなくても、放射性物質の崩壊熱で
最大で運転中の10%の発熱がある。

原発の熱効率は1/3で、残りの2/3の熱は捨てている。
出力100万kwの原発だと、捨てている熱量は200万kw分ある。
つまり出力100万kwの全発熱量は300万kw分以上ある。

運転休止しても最大10%の崩壊熱があるならば、
それは30万kw分の膨大な熱量だ。核燃料棒を1.5年から2年程度冷やして
たぶん料理で言う粗熱をとってから、再処理工場に持っていく。

福島原発でも全電源停止で電源を断たれても、この崩壊熱を使って発電すれば
良かったのにという意見がネットで多かったと記憶する。

崩壊熱を発電に使わずに、「原子炉→発電機→復水器→原子炉」の回路を遮断して
密封し、密封した原子炉を冷却できずに高温高圧になって、高温高圧にしてしまい
メルトダウンメルトスルーしたのが福島原発事故だ。

そもそも、核燃料の熱を無駄にし過ぎていて、もったいない気がする。
この辺に日本 人らしさがなく、原発を使いこなせていない…のかな。

原発の熱効率1/3、残り2/3は海に捨てて、核燃料棒の崩壊熱も自然界に捨てて、
さらに高レベル放射性廃棄物の熱も30℃になるまで地層処分して空冷?で
自然界に捨てる。まるで核燃料の熱を捨てるために原発をやってるようだ。
すごいよね。熱のお大尽様だよね。

原発はそういうものだと思い込んでる、思考停止している。
その他に反日原発運動体や意識高い系もいるので、いずれにせよ時間がかかるね。

高レベル放射性廃棄物の商業利用法(5)

今現在までの高レベル放射性廃棄物の処分方法には↓

https://www.eneho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/final_disposal.html#topic01
>・地層処分 ① 酸素が少なく、ものが変化しにくい、② ものの動きが非常に遅い、
>      ③ 人間の生活環境や地上の自然環境から隔離されている、という特徴があり、
>      安全な地層処分が可能になります。
>・海洋処分 海洋投棄につながるということで「廃棄物その他の物の投棄による
>      海洋汚染の防止に関する条約(ロンドン条約)」により禁止
>・氷床処分 南極での処分は、南極条約で国際的に禁止されています。
>・宇宙処分 もしロケットが墜落してしまったら、地上や海洋で甚大な被害が発生します。
>      こうした状況から、宇宙処分の実現可能性は認められていません。

これらの処分方法全般に通底しているのは、「臭いものに蓋、厄介払い」したい
お気持ちがアリアリと出ています。どんだけ嫌なんだよw 
高レベル放射性廃棄物の名前に圧倒されて思考停止してる。これも正名論だろう。

しかし高レベル放射性廃棄物は、安定的で、格安で、超長期的に発熱する大事な
熱資源だとわかったら、かつ使い道があったら、こんな処分方法はしない。

海洋処分は特に海洋投棄禁止のロンドン条約に抵触するとのことだ。
しかし投棄と利用は全然違う。

原潜が港を出て海に潜行していきました。原子力空母も港を出ていきました。
これは海洋投棄とは言いません。原潜や空母が港に帰ってくるからです。

帰港する=回収されるから投棄と言われない。回収されれば投棄じゃない。
原潜や空母が事故で沈んだままだと、放射性物質の海洋投棄になります。

漁師さんが船から海に網を投げ入れました。これを海洋投棄とは言いません。
なぜなら漁師さんは網を魚とともに回収するからです。回収しないと海洋投棄です。

今回の海底に熱源として高レベル放射性廃棄物を設置するのも投棄ではありません。
深海の2℃の海水を加熱できなくなるまで使って、それ以降は地上処分します。

それまでの数百年、数千年の間は定期的に高レベル放射性廃棄物のキャニスターを
引き上げて検査して維持管理するからです。

その数百年間数千年間は、海の砂漠を漁場に変えて、
水産資源を開発し経済活動をします。そのお金で維持管理する。

高レベル放射性廃棄物の商業利用法(4)

高レベル放射性廃棄物(キャニスター)海底設置図

高レベル放射性廃棄物のガラス固化体(容器はキャニスター)を
海底に設置する方法は簡単です。図を参照のこと。

幾つかのキャニスターをまとめて、コンテナに入れます。
水深4000-5000mの海底に設置する。
4000-5000mというのは日本のEEZ平均水深と
日本海溝などを考慮した数字です※1

4000mの海底から、高レベル放射性廃棄物で加熱された深層水が海面まで
上昇する過程では周囲の海水が混じりあって、そのまま上昇しないと思われる。

そのために、4000m-5000m程度の煙突を設けて、周囲の海水と縁を切る。
煙突によって、加熱された深層水を海面まで、海面付近まで届けられます。
ストーブの煙突と同じ原理です。

海面に煙突を出すと台風などの波浪で煙突が破壊されます。
さらに船の通行もあり、海面より深い位置を煙突頂上とした方が良い。

深海流に熱塩循環がある。ノルウェー海で深海に沈み込んだ冷たい海水が
大西洋を南下して喜望峰を回りインド洋と南極海に行く。
さらにオーストラリアから太平洋海盆に流れ込んで北太平洋で海面に出て
深海を通ったルートを海面を逆にたどりながら、ノルウェー海に戻る。

この循環には2000年かかるそうで、ざっくり地球一周として4万㎞として
海流の速度は4万km/2000年=2.3m/時、大した流速じゃない。

日本のEEZを考えると黒潮北太平洋海流が大きい。
しかし日本のEEZで、漁業活動のないところで、海の砂漠海域で、となると
黒潮北太平洋海流からずれた位置になるから、これらの海流は影響ないかも?
それ以外の海流に耐える煙突素材としなければいけない。

※1
https://www.spf.org/_opri_media/projects/information/forum/backnumber/pdf/25_05.pdf

日本のEEZ 4.46百万㎞^2 EEZ体積 15.8百万㎞^3
平均水深 15.8百万㎞^3 / 4.46百万km^2=3543m
太平洋の平均水深が3940m、日本海溝が平均水深7000m以上、南海トラフが4000m以上

※2 
日本のEEZの平均水深は日本海溝等があり太平洋より深いと言うのがあった。
太平洋より浅く出てるのは間違いかもしれない。

 

高レベル放射性廃棄物の商業利用法(3)

高レベル放射性廃棄物のガラス固化体(容器はキャニスター)を
海底に設置する事で、海洋投棄を心配するかもしれません。
でも海洋投棄はしないので、心配は御無用です。

ガラス固化体が発熱している数百年~数千年間は、
ペンキを塗ってから、海底に設置しておく。
そして定期的にガラス固化体のキャニスターを海底から引き上げ点検する。

ペンキがはげていないか、錆びていないか、へこんでいないか、
クラックが入っていないか、点検する。もし異常があったら、
そのガラス固化体の入っているキャニスターを新しくする。

そうやって、正常な状態にして、再び海底に設置する。
この維持管理作業を、数百年~数千年間繰り返す。

その数百年~数千年間は、ガラス固化体の発熱で
海の砂漠を漁場に変えて、海藻や魚等の資源を開発し、
経済活動する、つまり海藻や魚などで商売する。

そして数百年~数千年後、ガラス固化体の発熱が無くなり
2度Cの深海水をもう加熱できなったら
そのガラス固化体は、お役御免で、地上処分する。

2度Cの深海水を加熱できなくなったら
そのキャニスターは「ほぼ」放射性物質じゃなくなる…と思う。
物理学的に厳密に言えば、放射性物質だろうけどね。

※1 水深2000m以下の海水温は2度Cで一定である。

※2 >ガラス固化体とは、再処理した後に残る高い放射能を持つ廃液を、
  >ガラスに混ぜ込んで固めたものです。

※3 >ガラス固化体では内部にある放射性核種の放射性崩壊が続いており、
  >ガラス固化体製造直後の発熱量は約2,300 W(600 Wの電気コンロ4台弱相当)で、
  >固化体の表面温度は200℃以上になる。

  >この高温のために新しい固化体は地層処分には不適格であり、30-50年間冷却して
  >発熱量が560-350 Wに減ったところで地層処分される予定である[2]。

※4 >ステンレス製キャニスターは一時冷却貯蔵期間(30-50年間)の腐食などを考慮して、
  >ドラム缶の板厚の数倍の肉厚5-6 mmとなっている[1]。

  >日本原燃六ヶ所再処理工場および海外の再処理工場から返還されるものは
  >直径43 cm、高さ134 cm、総重量約500 kg(正味重量400 kg)、
  >容量170リットルでドラム缶(200リットル)より細長く容量は少し小さい。

  >日本原子力研究開発機構茨城県東海村)のものは原燃のものより小さく
  >総重量約400 kgである[2]。